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Movable Type 6 の新しいライセンスについて

本日7月10日に発表したMovable Type の最新版、Movable Type 6 からライセンス体系を変更します。

これまでは、商用版、個人無償版のライセンスに加え、コア部分を Movable Type Open Source (MTOS) として GPL(*1) でも提供してきました。Movable Type 6 からは、商用版、個人無償版のライセンスは継続しますが、MTOS の提供は行いません。これまでに配布した MTOS については、そのライセンスは今後も有効でありつづけます。

もともと Movable Type は作られた当初から、個人利用は無償、商用利用は有償というライセンスで提供してきました。ユーザーからの多大なフィードバックに支えられたプロダクトであり、そのフィードバックへの感謝の気持ちと継続的な開発のためのビジネス性の確保のため、常にバランスが求められてきました。

Movable Type 4 から始めた GPL での MTOS 提供は、Movable Type のオープン性をより高めるために実施されました。GPL と商用ライセンスのデュアルライセンスで提供することによって、オープンソースでの配布拡大の効果もありましたが、一方で、派生プロダクトに相当するプラグインやテーマを配布、販売する際にもライセンスの違いや機能差を考慮しなければならないという面もありました。結果として、派生プロダクトの作者の負担が増えてしまったり、ユーザーにとって分かりにくくなってしまったりなど、 Movable Type 自体の複雑さの原因にもなっていました。

今回、Movable Type 6 の主要機能として、API を強化しました。Data API は、Movable Type をシンプルに利用したいパワーユーザーにとっては、RESTful で使い易く、HTML5、CSS3、JavaScript の組合せでさまざまな機能を実現できる新しい API です。Chart API は Movable Type の管理画面に組み込んで使うだけでなく、新しい Data API と組み合わせて、アプリケーションの可能性を広げます。今回、この API を十分に活用していただくために、Data API、Chart API の JavaScript ライブラリに関しては、MITライセンス(*2)で提供することにしました。また、わたしたちが作る Web アプリ、Loupe も同様に MIT ライセンスで配布します。このライセンス変更により、JavaScript ライブラリを含んだプロダクトだけでなく、Loupe を改造したアプリケーションも自由に活用していただけます。

これまで Six Apart が GPL で提供していたプラグインについても MIT ライセンスでの提供に変更しました。前述の JavaScript ライブラリや Loupe と同様に、MT の商用版、個人無償版のライセンスでは、派生プロダクトにあたるテーマやプラグインについてはライセンス上の制限はないので、自由にライセンスを設定して配布、販売することができます。選択肢を広げることで、ユーザーや制作会社、開発会社など様々な方々に、やりたいことを実現するためのプラットフォームとして Movable Type がさらに活用されることを強く願っています。

また、GPL での提供は終了しますが、Movable Type 自体は Perl で作られていることもあって、これまで通りソースコードはいつでもどなたでも閲覧可能です。GitHub による開発版の公開も継続して行います。商用版、もしくは個人無償版のライセンスを保有する必要がありますが、GitHub のレポジトリはそのまま使っていただけますし、フィードバックも受けつけます。Six Apart は引き続き Movable Type の成長のための投資を続けます。これからもオープンな体制で開発を続け、今後も皆様からのご支援をいただき、よりよいプロダクトに成長していきたいと思います。

(*1) GPL: Gnu General Public License の略。二次的著作物の頒布条件を同一のライセンスに限るオープンソースライセンスの一種。
(*2) MITライセンス: MIT(マサチューセッツ工科大学)を起源とするオープンソースライセンス。オープンソースであるかどうかに関わらず再利用を認めている。

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