Movable Type 9 RCリリースノート
Movable Type 9 (MT9) を、2025年10月22日公開に向けて現在開発中です。
本日、 Movable Type 9 RC(Release Candidate:リリース候補版)9.0.3 を公開しました。開発中の次バージョンのページでダウンロード可能です。
Movable Type BETA - 開発中の次バージョン
※ リリース候補版は開発中のバージョンのため、現在稼動中の本番環境で使用せず本番環境と別のデータベースを使用するよう新たにインストールを行い、既存のデータをインポートするなどしてご使用ください。
Movable Type 9.0.3 では、新機能の追加や改善、これまでに発見または、報告された多くの問題を解消しています。
ライフサイクルポリシー
Movable Type 9 では適切なバージョンを選択しやすいようにライフサイクルポリシーを見直しました。
- リリースサイクルを3カ月から4カ月に変更(1月/5月/9月を予定)しました
- Movable Type 9 リリース1年後のバージョンがLTS(Long-Term Support)となり、2年単位のリリースとなります
- Movable Type 9 のLTS版はテクニカルサポート1年と、セキュリティアップデート1年の合計で最長4年間ご利用いただけます
- LTS版も4ヶ月に1度のバグフィックスのパッチバージョンをリリースします
- 非LTS版も1年間のセキュリティアップデートがあります
※ Movable Type 8.8.x はEOLまで3年の予定でしたが、4年に延長します
※ 大規模サイトで検証に時間が必要な場合は、一旦8.8系にアップグレード後、9.3.x 以降のバージョンにアップグレードすることを推奨します
主な新機能・改善された機能
CommonMark と GitHub Flavored Markdown に対応
テキストフォーマットとして新たに CommonMark と GitHub Flavored Markdown を追加する CommonMark プラグインを同梱しました。これにより、CommonMark 記法でコンテンツを作成できるようにしました。
※ CommonMark プラグインを利用するには Perl 5.26 以上が必要です
新しいデフォルトテーマとして Eigerwand を追加
Movable Type 9 のデフォルトテーマとなる「Eigerwand」を追加しました。既存のテーマ「Eiger」をベースに、HTML構造やナビゲーションを見直し、不要な要素を削除しました。サイト制作のベースとして使いやすくなっています。
ユーザーログイン時の多要素認証の必須化の設定が可能に
同梱している MFA プラグインを 1.0.5 から 1.1.0 に、MFA-TOTP プラグインを 1.1.0 から 1.2.0 に更新し、システム設定に多要素認証の必須化の設定を追加しました。
この設定を有効にすると、多要素認証が未設定のユーザーのCMS機能へのアクセスを禁止することができます。
その他の新機能・改善された機能
- 複数の環境変数
PluginPath
に同一 ID でバージョンが異なるプラグインが存在する場合、バージョンが新しいプラグインを優先して読み込むように改善しました。また、プラグイン設定画面で手動での有効・無効の切り替えも可能にしました(MTC-29769) - インストールウィザードにおいて、データベース接続設定に環境変数
DBIConnectOptions
を指定できる入力欄を追加しました。MySQLでTLSを利用する場合など、追加の接続オプションを設定できます(MTC-29999) - データベース接続時のエラー処理を厳格化するため、環境変数
DBIRaiseError
のデフォルト値を 1 に変更しました。これにより、従来見過ごされていた可能性のあるデータベースエラーが即座に検知されるようにしました(MTC-30128) - 検索文字列の最大文字数を制限する環境変数
SearchMaxCharCount
のデフォルト値として 1000 を設定しました(MTC-30329) - admin2023 および admin2025 の管理画面テーマで管理画面右上のアイコンのみで表示されているボタンに、ツールチップを追加し、各機能が分かりやすくなるようにしました(MTC-30331)
- 英語環境での管理画面ヘッダーの「サイトを見る」ボタンのラベルを View Your Site から View Site に変更しました(MTC-30436)
- 同梱プラグインかどうかを判定するための
PLUGIN_VERSIONS
ファイルを導入し、プラグイン一覧画面で「標準」「標準(変更あり)」「ユーザー」のラベルを表示するようにしました(MTC-30483) - 廃止 (
deprecated: 1
) または削除されたテーマが適用されている場合でも、テーマ情報を管理画面に表示し続けるように改善しました。また、新規サイト作成時のテーマ選択肢からは表示されないようにしました(MTC-30493) - 同梱している Perl モジュール (extlib) の一部をアップデートしました(MTC-30596)
CGI
(4.66 → 4.69)Class::Data::Inheritable
(0.09 → 0.10)Crypt::URandom
(0.40 → 0.54)Hash::Merge::Simple
(0.051 → 0.052)Image::ExifTool
(12.76 → 13.30)LWP::Protocol::http
(6.77 → 6.78)LWP::UserAgent
(6.77 → 6.78)Mail::Address
(2.21 → 2.22)Math::BigInt
(2.003003 → 2.005003)MIME::Types
(2.26 → 2.28)Net::OAuth
(0.28 → 0.31)parent
(0.242 → 0.244)Text::CSV
(2.04 → 2.06)TheSchwartz
(1.17 → 1.18)URI
(5.29 → 5.32)YAML::Tiny
(1.74 → 1.76)
- 環境変数
DefaultListPrefs
の廃止予定を撤回しました。(MTC-30636) - 画像カスタムフィールドで画像を保存する際、これまでの絶対URL形式ではなく、テンプレートタグで展開可能なパス形式で保存するように変更しました。これにより、サイト URL を変更した際のメンテナンス性が向上します(SUPPORT-463)
- ユーザー作成画面の「ユーザー名」入力欄の下に「管理画面のサインインに使用します。」という補足説明を追加しました(SUPPORT-614)
- サイトの投稿設定に「リンクのターゲットの既定値」の設定を追加しました。この設定はリンク挿入ダイアログで target 属性のデフォルト値に利用されます。(MTC-30377)
管理画面新テーマ(admin2025)
- 管理画面のヘッダーにある「新規作成」「サイト一覧」ボタンのコンテンツを、ボタンクリック時に取得するように変更し、ページ表示時の処理を改善しました(MTC-30144)
MTRichTextEditor プラグイン
- MTRichTextEditor プラグインで利用するリンク挿入時のHTMLを定義するシステムテンプレートを、アップグレード時に各サイトに自動で作成するように改善しました(MTC-30461)
修正された問題
- 無効化されたプラグインのディレクトリが Perl のインクルードパス (
@INC
) に追加されないように修正しました(MTC-29764) - プラグインに含まれる config.yaml ファイルのメタ情報を、プラグインの重複判定前に読み込むように修正しました。これにより、name や version に基づいて正しく重複判定が行われるようにしました(MTC-30062)
- 共有プレビュー機能で、共有プレビューリンクとパーマリンクが表示されない問題を修正しました(MTC-30410)
- 記事のインポート画面で、サイトパスが未設定の場合に表示されるエラーメッセージにスタイルが適用されていない問題を修正し、警告として表示するようにしました(MTC-30427)
- アセットのアップロード画面において、サイトパスやサムネイル用ディレクトリが存在しない、または書き込み権限がない場合に、警告メッセージを表示するように修正しました(MTC-30429)
- 権限設定ダイアログのサイト一覧で、ページネーションが正しく機能せず全サイトが表示されない問題および、親子関係の表示崩れを修正しました。新たに環境変数
GrantRoleSitesView
を追加し、リスト表示(list)とツリー表示(tree)を切り替えられるようにしました。デフォルトは list です(MTC-30431) - テンプレート一覧画面で、アイコンの有無によってテンプレート名のインデントがずれる問題を修正しました(MTC-30453)
- プラグインで追加された
default_templates
が、アップグレード時に子サイトのみに作成され、親サイトに作成されない問題を修正しました(MTC-30463) - Movable Type 7 に標準搭載されていたブロックエディタでアセットをアップロードした際に、サムネイルが表示されない問題を修正しました(MTC-30549)
- Movable Type 7 に標準搭載されていたブロックエディタで、ドラッグ&ドロップによるアセットのアップロードができない問題を修正しました(MTC-30550)
MTDate
タグなどの日時関連タグで、language
モディファイアに未対応の言語が指定された場合に、デフォルトの言語設定デフォルトの言語設定の日時フォーマットで出力するように修正しました(MTC-30599)- 記事やウェブページの編集画面で、ウィンドウ幅が 992px 以下の場合にフォーマット選択が正しく反映されない問題を修正しました(MTC-30634)
管理画面新テーマ(admin2025)
- 管理画面の左メニューを一時的に展開した状態で項目をクリックした際、次のページでメニューの開閉アニメーションが意図せず実行される問題を修正しました(MTC-30121)
- 管理画面のボタンや区切り線などのデザインを調整しました(MTC-30333)
- 管理画面のフッターおよびメインコンテンツエリアの余白を、左メニューの開閉状態に応じて適切に調整されるように修正しました(MTC-30368)
- サイト数が多い場合に、サイト選択モーダルウィンドウ内でスクロールができず、すべてのサイトを選択できない問題を修正しました(MTC-30369)
- 管理画面の各所で、パンくずリストとページのタイトルの表記揺れ(例:「〜の作成」と「〜を作成」)を統一しました(MTC-30476)
DebugMode
を有効にした際に、管理画面フッターのデバッグパネルの表示が崩れる問題を修正しました(MTC-30573)
AssetUploader プラグイン
- AssetUploader プラグインのモーダルウィンドウで、タグの編集ができない問題を修正しました(MTC-30555)
- AssetUploader プラグインで、一度に複数の画像をアップロードする際に、2つ目以降の画像で「オリジナル画像にリンクする」のチェックボックスが正しく動作しない問題を修正しました(MTC-30556)
- AssetUploader プラグインを利用して挿入した画像が、記事の関連アセットに追加されない問題を修正しました(MTC-30557)
- AssetUploader プラグインにおいて、サイトパスやサムネイル保存先ディレクトリが未設定の場合に、モーダルウィンドウ内にエラーメッセージが表示されるように修正しました(MTC-30618)
DashboardWidgetTemplate プラグイン
- DashboardWidgetTemplate プラグインの初期化処理でPerl の警告がログに出力される問題を修正しました(MTC-30576)
- DashboardWidgetTemplate プラグインにおいて、「バックアップされたテンプレート」画面で JavaScript エラーが発生する問題および、不要なウィジェットが表示される問題を修正しました(MTC-30584, MTC-30585)
MTRichTextEditor プラグイン
- MTRichTextEditor プラグインが有効な状態で、テキストフォーマットを「リッチテキスト」以外に設定した場合に、フルスクリーンモードへの切り替えボタンが正常に動作しない問題を修正しました(MTC-30612)
ダイナミックパブリッシング
- ダイナミックパブリッシングにおいて、
MTDate
タグのformat
モディファイアに日付フォーマット%a
を指定したときに曜日が正しく表示されない問題を修正しました(MTC-30553)
セキュリティ上の修正、改善
- ダイナミックパブリッシングでテンプレート内にPHPコードの記述を許可する環境変数
DynamicTemplateAllowPHP
のデフォルト値を 0 (無効) に変更しました(MTC-30560) - ダイナミックパブリッシングでSmartyタグの利用を許可する環境変数
DynamicTemplateAllowSmartyTags
のデフォルト値を 0 (無効) に変更しました(MTC-30561) - テスト用のテンプレートタグモディファイアの使用を制御する環境変数
AllowTestModifier
のデフォルト値を 0 (無効) に変更しました(MTC-30562)
廃止された機能と削除した実装
- StyleCatcher プラグインに関連するテーマファイルを削除しました(MTC-30287)
- 日本語および英語以外の言語別での日時フォーマット用を削除しました(MTC-30566)
- サポートを終了した Classic 系テーマおよび Professional 系テーマを廃止扱いとし、新規サイト作成時の選択肢から削除しました(MTC-30637)
- トラックバック機能の廃止に伴い、関連する環境変数
GenerateTrackBackRSS
を削除しました(MTC-30659)
開発者向け
- 廃止予定となっていた PHP 実装(
trigger_error(..., E_USER_DEPRECATED)
が設定されていた関数やメソッド)を削除しました(MTC-30559) MT::Util::is_valid_ip
メソッドを削除しました(MTC-30598)